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野球部の思い出〜1年春〜

 

【前回】野球部の思い出〜仮入部編〜

 

気がついたら入部していた野球部。

 

先輩から様々なルールを教えられる。挨拶をしっかりする、言葉遣いに気をつける、などといった当たり前のもの。

 

練習の前にはデカイ声で校歌を歌うなどといったよくわからんもの。様々だ。

 

今考えても、校歌を歌う意味はわからない。他にも色々よくわからないルールがあった。

 

まず、先生やOBなどが来たら練習を中断し、キャプテンの号令でデカイ声を出して挨拶しないといけなかった。

 

野球部関係者にのみするのなら良いが、テニス部、サッカー部、ソフト部などの全く関係ない人達にも挨拶をしなければならない。

 

顧問側もほとんどシカトしてくるし「やる意味あんのかよこれ。」とか思っていた。

 

最初はしっかり対応してくれた先生も回数を重ねると塩対応になる。

 

悲しい。

 

それに加え、どんなに遠くに先生が現れても練習を中断して挨拶をする。

 

豆粒みたいな先生に挨拶をして、シカトされているあの集団は滑稽である。

 

というかあまりにもおかしくて笑いながら挨拶してた。だって挨拶してる頃には先生もう見えなくなってるんだもん。

 

そんな1年春、入部2日目で強制帰宅させられた。

 

経緯はこうだ。

 

1年生は別メニューで、離れたところでヘッスラの練習をしていた。(牽制の帰塁)

 

先輩の合図に合わせ素早くヘッスラする。これだけ。

 

いくつかのグループに分かれていたため、自分の番ではない人達は「ナイス!」とか「ウォォーイ!」とかいう声出しをする。

 

そして別メニューが終わり、一年はキャプテンに呼び出された。

 

「この中で、全力で声出ししてたやつ手を上げろ」

 

手を上げなかった。だって全力で声を出していなかったから。他のやつらも、全力で声出ししてるやつなんかいなかった。

 

しかし、手を上げなかったのは僕を含む3人だけ。

 

「なんでお前らは手を上げない?」

 

「大きな声で声出しはしていましたが、もっと出せるような気がしたからです。」

 

正直に答えた。全力で声出しなんかしたら殆ど怒鳴り声のようになると思った。

 

今思えばヘッスラの練習なんかで大声出すやつなんかいねーわ。

 

「全力でやらねぇやつはいらねぇんだよ。お前ら3人は帰れ。」

 

「すみませんでした。」

 

「いいから帰れ。」

 

あっ、これマジに帰らないといけないやつだ。

 

仕方がないので3人で帰る準備をした。野球部ってこんな感じなのかよって萎えた。

 

「絶対あいつらも全力で声出ししてなかったよな。」

 

うん、俺もそう思うよ。でも奴らは怒られなかった。

 

真面目に馬鹿正直に答えたやつが不利になるんだ。勉強になったな。

 

帰り支度が整い、校門へ向かう。

 

校門付近に座ってダベっている3年生の女子に

 

「草彅に似てね!?」

 

と声をかけられた。

 

草彅…?SMAP…?

 

と考えたが、僕と草彅剛は全く似ていないのでおそらく草彅という先生か先輩がいるのだろう。

 

草彅に似てる攻撃は続く。どう返事をしていいかわからず困っていたが、強制帰宅仲間に

 

「もういいよ、帰るぞ」

 

と言われそのまま家路に着いた。

 

次の日、3人でキャプテンと副キャプテンに謝りに行った。

 

軽く説教されたが許してもらえた。

 

良かった良かった。これで安心して部活に行ける。

 

ちなみに、草彅という人間はこの学校にはいなかった。

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

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